True colors

私は海君と一緒に教室に戻った。


教室に入るとすぐに美樹と大輝が駆け寄ってきた。

｢美樹、大輝…、ごめんね……。｣


｢もぉ〜何それ〜！何も謝られるようなことされてないんだけど。ねっ、大輝！｣


｢俺の方こそ出しゃばってごめん……。｣


海君が満足そうな笑顔でその光景を見ていたので私は口パクで海君にありがとうと言った。


海君は優しくて人の心が良く分かる人だ。私の中で海君は非の打ち所のない完璧な人間であった。


｢麻梨亜ちょっと来て。｣


岸田君が不機嫌そうな顔で私を呼んだ。


今にも飛びかかって行きそうな大輝と美樹に笑顔で首を振った。


｢私が悪いし、まだちゃんと謝ってない……。｣


そう二人に言い、私は岸田君に付いて行った。