死に神ゲーム
頼んでいたものがそれぞれきて、もう食べ終わった頃。
「・・・何だか向こう側騒がしくない?」
「だなぁ・・・」
自分達からは視角で見えないが何やら入口付近が騒がしい。
何か揉めあってるような・・・。
「・・・会計、どうする?」
「もう食べ終わったしなぁ」
このまま談笑してても別に構わないが、何がおこっているのかも気にはなる。
だけど・・・ねぇ?
私達が行こうか行くまいか迷っていた時だった。
−ドンガッシャーン
「わっ!?」
「え、え、!?」
視角となっていた曲がり角からウェイターがいきなり吹っ飛んできて私達よりもずっと前にいた客のテーブルに突っ込んだ。
あまりの事に私も雅人も驚き立ち上がってしまった。
まあそれは私達だけではなく、周りの人達の中にも数人立ち上がってしまった人はいた。
「ふざっけんな。お前がこいつの何を知ってんだ!」
男の子の怒鳴り声が聴こえるが姿が見えない。
「何の努力もしない?んなわけないだろ!コイツは、誰よりも人一倍努力して・・・」
「静、もういいですわ・・・」
今度は女の子の声だ・・・。
「・・・貴方の私生活なんて、私には何の関係もございませんわ。
私には私の生活が、貴方には貴方の生活がございましょう?
他人にとやかく文句を言われる筋合いはございませんわ。
・・・静、帰りましょう?」
「う、うん・・・」
「お店、散らかして申し訳ございません。
また日を改めて伺いますので・・・」
「い、いえ・・・またの御来店、お待ちしております」
その声の後、扉の開閉音がした。