死に神ゲーム



そうしてついたのはセレーネでも評判のカフェだった。


自分も此処は気に入っている。




「紫翠ちゃんって、このカフェ好きでしょ?」



手を繋いだままこちらを振り向き聞いてきた静。

それに私はキョトンと首を傾げる。





「はい、好きですわ。どうして知ってらして・・・」




「好きな子の情報は知っておかなきゃ!」




「気持ち悪いですわ。それでどうしてですの?」




ニッコリ笑顔で爽やかに言えば静は気持ち悪いが心に突き刺さったのかしょぼくれながらも答えた。




「昼食によく此処のサンドイッチ持って来てたから」



ああ、そういえば・・・。


よく勝手に一緒に食べている静はそれを知っていたのか・・・。




「それじゃ、中にはい−PiPiPiPiPi−・・・・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・・」





意気揚々と中へ入ろうとした静のかばんの中から無機質な携帯の着信音が。

着信音・・・?





「・・・静・・・・・・?」




ニッコリ微笑んで無言の圧力を訴えると静の顔から冷や汗が大量に流れてきた。

まあ面白い。




「・・・先に入ってて?」




「はい、中でゆっくりとお話致しましょう?」





引き攣り笑顔の静と別れ一人先に中へと入った私。




「おや、紫翠ちゃん。いらっしゃい」




「ごきげんようマスターさん」





顔なじみになったマスターさんは癒しの笑顔を私にくれた。


このような方が、あの人の担任だったらと何度願った事でしょう・・・。




「せっかく来てくれたんだけど、生憎今満席でねぇ」



「構いませんわ。暫く待たせて頂きますわ」




「すまないねぇ。そうだ!待ってる間に軽く食べれる物を持ってくるよ」




「まあそんな。お気になさらずとも・・・」




「ちょっと待っててね」




「・・・・・・・・・」





私の周りには話を聴かない方が多いですわ・・・。


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