死に神ゲーム
仕方なくマスターのご好意に甘えようと壁におかれていた椅子へと腰掛けた。
「ねぇ、君ってセレーネの子?」
「え・・・?」
自身に影がかかり近くで声がしたので下げていた顔をあげた。
そこには此処の制服を来た若い男の人が立っていた。
誰でしょうか・・・。
「そうですが・・・」
「へぇ〜。俺昨日から此処でバイト始めたけどこんなに早くセレーネの子に会えるなんて」
ラッキー♪と言っている目の前の人は此処のバイトのようだ。
ナンパでしょうか?
「ね、携帯持ってるでしょ?メアド交換しよ」
ああナンパだ。
核心が持てた私。
「・・・生憎ですが、私今日は携帯忘れてるんですの」
「嘘だぁ!ホントは持ってるでしょ?」
「本当ですのよ?何でしたら、かばんのなかをお調べになられます?」
「いや、流石にそこまでは・・・じゃあさ、もうバイト終わりだからどっか行こうよ!」
何がじゃあさ、何ですの?
「申し訳ございませんが、私友達がおりますので」
「いーじゃん、行こうよ」
ぐいっと腕を掴んだところで、私は少しばかり感情的になってしまった。
「ッ!離してくださいまし!」
バッと荒々しく腕を振り払った拍子に相手の頬に爪が当たってしまい一筋の傷が出来てしまった。
流石にマズイと思った。
「ッ、何すんだよ!」
ここまできてはもう引き下がるのは・・・それに私が謝る義理はない。