死に神ゲーム
「そんな事でいちいち命令はしませんわ。その代わり、私が致しますのは"お願い"ですわ」
「では、拒否権があるので私は作ることを拒否致しますが?」
「嫌なら嫌で、それで構いませんわよ。無理強いは致しませんわ」
言いながら私は紅茶を一口飲む。
すると紬はくっ、と喉で笑うとそのまま肩を震わせて笑い出した。
「やはり、貴方様には敵いませんね・・・」
「褒め言葉として頂いておきますわ」
ふふ、と笑ってしまった私。
私にしてみれば、私が紬に敵いませんわよ。
「そういえばお嬢様、先程からお嬢様の携帯の着信音が鳴りっぱなしなのですが」
「静でしょうから放っといて下さいな」
「何故静だと・・・」
「曲が、"煩わしい”ですから」
言うと紬はああ、と納得して笑っていた。
「残り1時間40分・・・ですか」
画面はじに標示されているデジタル時計を見ながら、紬が呟いた。
「一人もまだ、脱落者がいないのは珍しい事ですね」
「当たり前ですわよ。あのゲームをしておられた方々ですわよ?」
「・・・それもそうですね」
ふっ、と笑うと、紬は空になったカップにお茶を注いだ。