青空のむこうに~バスケに恋して~
「き、急にトージが変な事言って笑わすから…」
「おいおい、変な事って言うなよ~。バスケが恋人なんて当たり前の事だろ?」
「当たり前…。それじゃ虎鉄は当たり前の事してないし…」
「だって虎鉄だもん。虎鉄は常識破り」
トージの言い方が面白すぎて、私はまた飲みかけたスポーツドリンクを吹き出しそうになった。
「ってか、ゆずは虎鉄の話が多いよな」
「そう?だって私とトージが共通する人物って虎鉄とマホだけじゃん?」
「…うーん。でも、その話し方って、虎鉄に惚れてた話し方だよなぁ…」
惚れてた…っていうのかな…。
何ていうか、あの時はどん底にいた私の唯一の支えっていうか…。
優しさにひかれてしまったってのはあるし、憧れも強かったって思う。
今は、マホと虎鉄の二人を見ても嫉妬のかけらもない。
お似合いだなって思うし、自分もいつかそんな彼氏と出会えたら…とは思ってる。
でも、それよりも…。
「何だ?虎鉄以上にいいやついるんだけどって顔してるけど」
「えっ?!顔に出てた?!」
あー…まずい…。
思いっ切り言葉の誘導に引っかかった…。