青空のむこうに~バスケに恋して~


時刻は朝の4時過ぎ。

身支度を整えて、ケータイだけ持つと私は静かに家を出た。



まだ暗い夜道を自転車で走る。

こんな時間に自転車で走った事はない。


昼間の暑さと比べると、明け方の爽快さは何ともいえない。

少しだけひんやりとした空気が肌をなでていく。



マンションFはうちから自転車で行ける所にあった。

場所的には、バスケットコートのある公園からが一番近い。


あの辺じゃ、一番高さのあるマンションだと思う。



でも、そのマンションの屋上にしかも、朝5時に来て欲しいってどういうつもりなんだろ?


こんな日が昇らない時間に、人気のない場所にのこのこ行く私も私だとは思うけど…。



マサシの時みたいに襲われるのかもしれない。

もし、そうだったなら私はそれを自分への罰として受け入れるつもり。


< 266 / 287 >

この作品をシェア

pagetop