青空のむこうに~バスケに恋して~
時刻は朝の4時過ぎ。
身支度を整えて、ケータイだけ持つと私は静かに家を出た。
まだ暗い夜道を自転車で走る。
こんな時間に自転車で走った事はない。
昼間の暑さと比べると、明け方の爽快さは何ともいえない。
少しだけひんやりとした空気が肌をなでていく。
マンションFはうちから自転車で行ける所にあった。
場所的には、バスケットコートのある公園からが一番近い。
あの辺じゃ、一番高さのあるマンションだと思う。
でも、そのマンションの屋上にしかも、朝5時に来て欲しいってどういうつもりなんだろ?
こんな日が昇らない時間に、人気のない場所にのこのこ行く私も私だとは思うけど…。
マサシの時みたいに襲われるのかもしれない。
もし、そうだったなら私はそれを自分への罰として受け入れるつもり。