青空のむこうに~バスケに恋して~


マンションFの下に自転車を停めて、私はエレベーターホールを探す。

オートロック式じゃなかったし、管理人もいない古いタイプのマンションのようだった。


時刻は4時半をすぎている。

この時間もさすがに人の気配はなく、古いマンションの1階は電気がついてても薄暗くてすごい不気味。


エレベーターを見つけ、乗り込んだ。

15階が最上階らしい。

そっと15のボタンを押すと、ガタガタと音をたてて扉がしまった。


他に乗ってる人がいないエレベーターは、どこの階にも止まらずに真っ直ぐに最上階へと向かう。


「…」


15階について、降りる。

エレベーターホールから廊下へと出てみたけど、屋上に行くにはどうやって行くんだろ…?


その時、持っていたケータイがブルブルと震えだした。


新着メールのお知らせが表示される。


『屋上へはエレベーターホールを出て、右に曲がって廊下のつきあたりにある扉から階段をのぼれば行ける』


モルからのメールだった。


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