年上王子様
泣くことなんかないのに、
私の涙は止まることを知らない。
どうして…?
「速水さんは…私のこと嫌いですか?」
私は、速水さんに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で聞いた。
はたして聞こえてるのだろうか。
「私のこと、女として見てないですよね…」
そう言ってから、
私の涙は布団にポタポタとこぼれ落ちた。
「ゆゆ、それ本気で言ってんの?」
「え?」
私は布団の中の速水さんから声が発せられてビックリした。
起きてたんだ…。
速水さんはムクリと起き上がり、
私を見つめた。
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