また、明日~天使の翼を持つキミへ~
鹿児島の9月は、まだまだ暑く、猛暑日が続いていた。
先生達いわく、熱中症。
あたしも、それで納得していた。
水分を取って、体を少し冷やせば、びっくりするほど元気になったから。
「菜緒、ずっと俺の側にいたの?」
帰り道。
夕日を背中に浴びながら、親太郎が言った。
親太郎は、鞄をリュックのように背中に背負い、小石を上に投げ弄んでいた。
「親太郎の面倒を見れるのはあたししかいないでしょ?」
オレンジ色に染まる親太郎を横目に見ながら言うと。
「ハハっ」
親太郎は軽く笑って、小石を遠くへ投げた。
コロコロ転がった小石は、すぐに側溝に落ちた。