また、明日~天使の翼を持つキミへ~
「もう平気なの?」
「んー、まぁ、まだ怠いっちゃー怠いけど大人しく寝てれば治るっしょ」
親太郎は、両腕をグ〜っと空へ伸ばした。
軽くストレッチをしながら、あたしの少し先を歩く。
親太郎の背中は大きかった。
あたし達、背丈はずっと変わらなかったのに、いつからだろう。
気づいた時には、あたしの身長なんて余裕で越していた。
あたしをおいて、一人でどんどん成長していく親太郎。
本当は、ちょっと寂しかった。
ただ身長を越されただけなのに、親太郎の存在が遠くなったような気がして。
それでも、あたし達の関係はずっと変わらなかった。
あたしは親太郎の隣にいたし。
親太郎も、あたしの隣にいた。
生まれた時からずっと。
離れたことなんて、一度もなかった。