可能性の種

所謂ひとつのドラ息子

私が2年になった時に入学して来た男子の話。
正直…『青春』というテーマには似つかない人間。
彼には今どうしているのか分かりませんが…今も当時の生活をしているのであれば、『青春』を謳歌させてあげたい!

彼は所謂お坊ちゃまです。
私たちの住む県では、有名なスーパーマーケットの御曹司。
とにかく甘やかされて育てられたのが…一目瞭然。
そういう雰囲気も相まってか、登校拒否になって、通信制高校に入学した様子でした。

彼とは塾が一緒だったんですよ。
その塾というのは、夜は普通の高校に通う生徒用の塾。
で平日の昼間は、通信制高校に通う生徒の受験専用の塾でした。

彼は正直、ただ親に言われているから通っているだけという感じ。
何も目標も無く、ただ暇潰しをしに来ているだけに見えた。
まぁお坊ちゃまですから…生活は困らないでしょうが。

でも明るく能天気に振る舞っていても、時々目が冷めている時がありました。
っていうか、死んでいる時がありました。
周りと自分のギャップに悩んでいたんだろうか?
家庭の中で様々なプレッシャーと戦い、敗れてきたんだろうかな?
そう思う事は多々ありました。
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