空の大きさ
若干いらだちながら俺は堀内の前に立つ。
「自分から名乗るのが礼儀なんじゃねーの?」
ムカつきながら答える。
「そうだな。ごめん」
案外あっさりと謝られて逆に吃驚した。
「俺は矢野勇太」
まさか、と思うけど名字が全てを語ってる。
「あおと幼なじみなんだ。でもまあアメリカに留学してて、昨日やっと帰って来たとこ」
さっきからあお、と呼ぶこいつがどこか馴れ馴れしいのはそういうことだったんだ。
堀内がさっきから静かだ。
何も言わないことに違和感を感じて堀内を見ると、
俺のよく知っている、前の堀内がいた。
無表情で、その目には何も移ってない、堀内がいた。
「俺は桐島空良。堀内のクラスメイト」
それだけ言うと堀内の手を引っ張って歩き出した。