『約束』、
「…やっぱ……意味分かんねぇ…。」

上島は一歩前に歩き、

私の方に近づく。

私は目を床にそむけていた。

やっぱり、

人が変わってしまうのは

辛い事だと改めて

実感したからだ。

「なぁ……風間ぁ……お前なら、分かってくれるだろう?お前は、俺の事好きなんだろう………?好きなら、何で殴るんだよぉ……。」

上島の表情は

前髪が影となって

見えなかった。

「…上島………?」

私はそんな変わり果てた

上島を見て、

手が震えた。

怖くなった。


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