宵闇
睡眠薬。
アタシはなぜ生きてるんだろう・・・?

生きていることに意味があるんだろうか・・・?

そんな急激な不安がアタシの心を襲う。

やめて・・・穏やかな気持ちに戻して・・・。

アタシは生きていたいんだよ・・・。

そう呟きながら、眠れない時に飲む薬に手を伸ばす。

もう常用しないと眠れなくなってる。

理由は、色々ある。

大きなのはあの時の恋。

あの時の恋をまだ引きずっているアタシがいる。

彼に逢いたい。

だけど、もう逢えない。

彼に逢えないくらいなら、いっそ・・・・。

そんな気持ちが頭の中をよぎる。

アタシがいなくなれば、彼の心の中には残る。

それは傷として残るのかもしれないし、

ただたんの思い出だけになるのかもしれない。

わからない。

でも、彼の心に残りたい。

彼の心に残るためには、アタシはいなくなるべきなのかなと考えてしまうんだ。

そんなことをしても無駄だとわかること。

死と向かい合わせな気持ちを持ちながら、

今日もアタシは睡眠薬に手を伸ばす。

お願い・・・安らかな眠りをちょうだい・・・。

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