宵闇
same pain
キスをした。

すごくしたくてたまらなくて、アタシからした。

彼はアタシの闇に敏感だ。

アタシが求めていることがすぐにわかってくれた。

そして、自分も同じだと言った。

闇を持っている・・・と。

アタシはやっと見つけたような気がした。

アタシと同じ闇を持ち、同じ痛みを持つ人を。

『・・・愛してしまうかもしれない。』

彼はアタシにそう言った。

そういわれて戸惑いはなかった。むしろ嬉しかった。



同じ痛みを抱えるなら、ひとりより二人がいい。

アタシはこの人を離さないかもしれない。

そうして自分でバランスをとっていくんだろう。

『もっと早く出逢ってたらよかったね。』

キスをしながらつぶやく。



体が触れた瞬間、泣きそうなほど嬉しかった。

なんだかわかりあえた気がして。

闇をわかちあえた気もして。

後悔しない?

たぶん、しないと思う。

彼はアタシに必要な人。

心の支えになる人。

彼になら壊されてもいい。

アタシは、初めて自分の持っている闇が好きになったような気がした。
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