★続★『逆高校デビュー』
土曜日なだけに、駅は混雑していた。
でも、悠斗と一緒に乗った電車はすごく空いていて、ガラガラだった。
初めて悠斗と乗る電車。
密着して横に座れるのは、すごく幸せで、
自転車、バス、電車と、
悠斗と乗った乗り物が増えてうれしくなった。
本当はあの日に、乗るはずだったんだな…
そう思いながら、隣に座る悠斗を見た。
悠斗は本当に前髪が伸びてしまって、
下を向いて座っている悠斗の目が、
私の位置からは、見えないぐらいだ。
「前髪、伸びたね」
「ん?」
そう言って、ちょっと頭を横に振って前髪をよけながら、顔を上げた。
「あ…髪切んないとな」
悠斗は人差し指で、前髪をいじった。
「昔からこう……
なんて言うか…
前髪が長くて、ちょっと横の髪を耳にかけていて、
襟足長めの髪型だったの?」
悠斗はニコニコっと目を細めた。
「なんだそれ。細け−な」
くくくっと悠斗は、下を向いて笑った。