★続★『逆高校デビュー』
初めての助手席。
初めての悠斗の運転。
最初は自転車、次にバス、電車、
そして…悠斗が運転する車。
暗い車内で、淡い明かりが、悠斗の顔をちょっとだけ照らした。
「ベルトしたか?」
「うん!」
元気よくうなづいた私を見て、ふっと笑ってから、
悠斗は車を動かした。
真剣な眼差し、相変わらずの長めの前髪、
ハンドルを持つ腕に、
私がプレゼントした、ちょっとごっつい腕時計。
運転している悠斗は、想像以上にかっこよくて、
じ−−−−っと
ず−−−−−−−っと
ひたすら悠斗を見つめて、ニヤけてしまった。
「桃叶……」
悠斗は前を向いたまま言った。
「ん?」
ニヤけたまま返事した。
「あんま…こっち見んな。
事故るぞ」
…………えっ。
「私の楽しみを奪うな!」
信号が赤で止まった。
そしたら、ごっつい腕時計がしてある方の手で、
私の頭をくしゃくしゃっと、
ちょっと強めに撫でた。
「なんだそれ」
そういって悠斗は、私の大好きな目をして笑った。