年上王子様とのアリエナイ××①
さっきの事で驚きと怖さで
涙が溢れて来そうになる。
「どうかした?何かあった?」
翔さんが息を切らせてあたしの体を強く抱きしめる。
「な、なんで?」
「柚子の叫び声が入ってたから」
え?
驚いて翔さんから離れると
「ほら、コレ」
悪戯っぽく笑いながらあたしに携帯電話を見せてくる。
「な!」
もしかしてあたし..発信ボタン押してた?
「あんな叫び声の留守電なんて初めてだよ」
翔さんが笑顔であたしの頭を優しく撫でる。
もう二度と笑顔なんて向けてくれないと思ってた。
ううん、それどころか
もう二度とあたしに触れてくれないんじゃないかって
あたしの前に現れないんじゃないかって
だからさっきのことなんてもうどうでもよくて
ここにこうしていてくれる事が嬉しくて
たまらく
嬉しくて
「か、翔さ..ごめんなさっ、っく、ごめんなさいぃ~~~~」
もう一度翔さんの胸に飛び込み
叫びながら謝った。