年上王子様とのアリエナイ××①


さっきの事で驚きと怖さで


涙が溢れて来そうになる。


「どうかした?何かあった?」


翔さんが息を切らせてあたしの体を強く抱きしめる。


「な、なんで?」

「柚子の叫び声が入ってたから」


え?

驚いて翔さんから離れると


「ほら、コレ」

悪戯っぽく笑いながらあたしに携帯電話を見せてくる。


「な!」

もしかしてあたし..発信ボタン押してた?


「あんな叫び声の留守電なんて初めてだよ」

翔さんが笑顔であたしの頭を優しく撫でる。


もう二度と笑顔なんて向けてくれないと思ってた。

ううん、それどころか

もう二度とあたしに触れてくれないんじゃないかって


あたしの前に現れないんじゃないかって


だからさっきのことなんてもうどうでもよくて


ここにこうしていてくれる事が嬉しくて

たまらく

嬉しくて


「か、翔さ..ごめんなさっ、っく、ごめんなさいぃ~~~~」


もう一度翔さんの胸に飛び込み

叫びながら謝った。


< 239 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop