二 億 円



「彌生、お前本気か?」


近くにいた友人が問いかける。


「ええ。人間に興味を抱いたのは二回目です。」



私は思わず目を細め、日々美しく成長しているであろうひなたを思い出す。



「彌生…お前、やっぱり可笑しいよ。」


可笑しい?何が可笑しいんだい?


私はひなたを愛しているから、他の人間に興味が抱けないだけ。


そんな私が唯一興味を抱けた相手が、刹那さん。




何が可笑しい?




「彌生くん!せ、刹那は…刹那は遊びなの?もし、もし本気じゃないのなら…刹那にち「本気ですよ。彼女は美しくて、僕の思い描いていた女性像です。」」



嘘ではありません。

彼女はたしかに美しい。そして百合のように品がある。


口の聞き方以外ではね。



「刹那は…男の人が嫌いなの。だから、彌生くんの噂を聞いて、かっとしちゃって…」



刹那さんの弱みを握ったのはこの日でした。





「その話、もし宜しければ…教えて頂けますか?」



そして刹那さんが人間を嫌いになった日。
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