二 億 円



言うことを聞かない使用人など、必要ない。



「日向。貴方は何のために此処にいるのですか?貴方は誰のために身を尽くすのですか?もう、忘れてしまったのですか?………約束が守れないのなら、お前も必要無い。」




非情。無情。



好きに解釈すればいい。



私の全ては、ひなた。ひなたが、私のスベテ。




例えそれが犯罪だとしても。許されざる行為だとしても。


私には、ひなたしか、いない。




「彌生様…。僕は、貴方の為に、働きます…っ、せ、刹那の…荷物は、全て処分しておきます……。」


震えながら、怯えながら、それでも私の命令には従う日向。



何故、お前はそこまでして、私に従うのか。




まあ、そんなことどうでもいいでしょう。



「わかっているなら早くしなさい。それと、そこの塵は捨てておくように。」




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