二 億 円




誰なの?どうして私を知っているの?私には全く理解出来なかった。



「いくらで売るつもりだ?元値は500万だったよな。精々二倍は積めよ。」



「良い売買先を知っている。人身オークション専門だ。良い値で買い取ってくれるさ。」




ケラケラと楽しそうに笑いながら、お金の話をしている二人の会話を聞いていた。



ふ、と外を見ると、見たこともない怪しいネオンの建物が沢山並んでいた。





男の人に連れられ、建物に入り





意識を失った。







目が覚めたら、目の前には大勢のスーツ姿の人がいた。巨額の金を積み上げ、大声で張り叫ぶ大人の姿が目に焼きついた。





そして

        彌生様に



出逢った。







「お人形さん。あまり無駄なことは考えない方がよいですよ。過去は捨てなさい。未来は諦めなさい。それがお人形さんのあるべき姿ですよ。」
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