二 億 円



「どうしてでしょうね?調べたのかもしれませんよ?」


調べた?私がこの屋敷に来て二日。そんな素振りは一切なかった。



「お人形さんを僕だけのものにするために沢山調べてきたかもしれませんよ?」


何か引っかかる。彌生様の言葉。



「この二日間でそんなに分かったのですか?私の過去。私の家族のこと。」


「二日間で十分に分かったこともありますが…過去のことを知るには年月が必要ですね。それこそ貴女の一年間を全て知るには私も一年必要です。」



相変わらず曖昧なことを言う。私に答えを探させ、楽しむ。それが彌生様のやり方。



「じゃあ、私の過去を知るのにどれくらいかかったのですか?」

思わず顔をしかめ、彌生様を問い詰める。しかしいつもの微笑みを返されただけで、質問には答えてくれなかった。



「では逆に質問です。貴女はそれを知ってどうするのですか?」


「えっ…どうするって…」


考えてもみなかった。私は、それを知ってどうするの?知らないほうが幸せなこともある。知ったところで、何か変わるのだろうか?




「知りたいのなら教えてあげますよ?貴女のお兄さんのこと。貴女の過去を知っている理由も。全てお話しましょうか?」
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