闇の貴公子に偽りの愛を
「だ、誰かいたのですね。全然気付きませんでした。」
アディナは冷静だった。
普通の人であれば戸惑ってしまうであろう。
「君も息抜き?」
この人はなんて優しい声をしているのだろう。
でも……
どこかできいたことのある声。
「息抜きと言うか…迷子です。」
素直に答えてしまったアディナ。
「迷子か…可愛いね。」
「可愛いなんて…抜けてるねの間違いじゃないのですか?」
アディナはゆっくりと自分の反対側に向かって歩く。
反対側にたどり着いたときアディナは目を見張った。
「……王子っ!な、何故こんな所に…」
そう、優しい声の持ち主は王子だったのだ。