まっすぐに *短編*


───俺も男だ!この場を借りて言ってしまえ!


「じゃ、俺の番ね。

酒井が鈴ちゃんの居場所必死に探してたから、てっきり告白するんだって思って、焦って酒井を追っかけてきたんだ。」


「焦って…?」


「ん。

俺ね鈴ちゃんのことすげー好き。

ふられんの怖くてずっと言えなかったけど、

何も言わずに鈴ちゃんを誰かにとられるくらいなら伝えたいって思った。

ごめんな、急に。」


「あっ、えっと…」


見て分かるくらいに困ってる鈴ちゃん。

顔は真っ赤で、目にうっすら涙がたまってる。


顔1つ分背の低い鈴ちゃんの頭に手をおき、目線を合わせるようにかがんだ。


きっとこんな近距離で彼女を見れるのも最初で最後だろう。


「…ごめんな。困らせるつもりなかった。俺行くわ。」


後ろを向き、ドアに手をかけたその時。

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