まっすぐに *短編*
ぎゅっと、俺のカーディガンの裾をつかんだ鈴ちゃん。
「あの…、ごめん、困ってたんじゃないの。ちょっと恥ずかしくって、」
「え?」
「あたしも、直人くんのこと好きなのっ…」
「…それ、まじ?」
「うっ、うん。」
──だめだ、俺もう無理。
俺の服をつかむ鈴ちゃんの手をとり抱き寄せると、すっぽりおさまった。
「やべぇ…ちょー嬉しい。」
「あたしも嬉しい…てか、びっくりしてる…。」