恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…ん…。」
サワサワと髪を揺らす風。
顔は冷たいのに、体はそんなに寒くない。
…何かが、おかしい。
私、外で眠っちゃったはず…。
寝呆けた頭をフル回転させながら、私は開かない目を無理やりあける。
「あれ…」
私の体には、ブレザーがかかっている。
私は自分の制服を見る。
私はちゃんと、自分のブレザーを着ている。
誰のブレザー…?
襟元に、青いバッジがついているから、このブレザーの持ち主は一つ年上の人だ。
「…起きたんだ?」
後ろから声がして、私はビクリと肩を震わせた。