恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「…は…っ」
どれくらい経ったんだろう。
私には、一瞬のような、永遠のような、そんな気がした。
掴んでいた私の手をゆっくりと、智晴先輩は解放した。
「…っ」
智晴先輩は声にならない声を出した。
ゆらゆらと揺れる瞳で私を見つめる智晴先輩。
「…どうして…そんなカオ、するんですか?」
そっと、私は智晴先輩の頬に手をあてる。
…今の先輩は、傷ついた幼い子供のような顔をしている。
だけど、その瞳からは智晴先輩の感情を読み取ることができない。
もどかしい…