恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「藤堂先輩、こんなとこで寝ちゃ風邪ひいちゃいますよ?」
「んー…母親かアンタ…。」
眠そうに目を擦って、軽く私を睨む藤堂先輩。
私は、ここに通うようになった。
…藤堂先輩に会うために。
なんだかんだでちゃんと相手してくれる藤堂先輩。
相変わらず、先輩の瞳は哀しい色のままで。
思わず私が守りたいと思ってしまうほどに、哀しい色の瞳。
見ている私の方が、胸が苦しくなるほどに──…