恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜






…私、今日はフラれちゃったんだよね…。
…人生初の恋だったのに。




智晴先輩のことを思い出して、胸に鈍い痛みが走る。
火傷みたいに、ズキンズキンって鈍く痛む。
だけど、涙は出なかった。
きっと、公園で流し尽くしちゃったんだ。





じっとしているのがイヤで、私はベランダに出た。
パジャマだと寒いから、上にモコモコのニットセーターを羽織る。



公園でも思ったけど。
星が綺麗だ…。


冬の空気は澄んでいるから、星が綺麗に見える。
凍てつく寒さのなかで、輝く星。






…ねぇ、智晴先輩。
まだ忘れることなんて出来そうにないよ…。
フラレました、じゃあもう忘れます、なんて簡単には割り切れない。


まだ…
好きでいていいですか?




星が答えをくれるハズなんてなくて。
ただ、沈黙の中で私の声は白い息になって空気の中へと消えていく。




切ない、よ──…









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