恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜
「夏樹の話?」
中庭の芝生に座ると、智晴先輩は尋ねてきた。
「はい。あの、ゆかちんも夏樹先輩のこと好きみたいで…。」
「…じゃあ、上手くいくじゃん。俺らいらなくね?」
智晴先輩は眉間にシワを寄せながらも、心なしか嬉しそうに言う。
「…それが、ゆかちん、夏樹先輩に好かれてないと思ってるみたいで。一緒にいても、喋ってくれないっていってました。」
「…夏樹も、そう言ってたんだけど。」
…お互い、すれ違ってるだけじゃん!
なんだかすごくもどかしい。
「っあ〜!どうにかしたい!」
私が叫ぶと、智晴先輩もそう思っていたらしく。
「めんどくせーやつら。」
そう呟いた。