恋迷路〜マイゴノコイゴコロ〜




「夏樹の話?」

中庭の芝生に座ると、智晴先輩は尋ねてきた。




「はい。あの、ゆかちんも夏樹先輩のこと好きみたいで…。」


「…じゃあ、上手くいくじゃん。俺らいらなくね?」
智晴先輩は眉間にシワを寄せながらも、心なしか嬉しそうに言う。




「…それが、ゆかちん、夏樹先輩に好かれてないと思ってるみたいで。一緒にいても、喋ってくれないっていってました。」


「…夏樹も、そう言ってたんだけど。」




…お互い、すれ違ってるだけじゃん!
なんだかすごくもどかしい。



「っあ〜!どうにかしたい!」

私が叫ぶと、智晴先輩もそう思っていたらしく。


「めんどくせーやつら。」

そう呟いた。







< 82 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop