人魚姫 〜 儚くも綺麗な恋
「 あ〜つ〜い 」
「 ゆきは名前に雪
入ってるから
溶けちゃうね(笑) 」
「 本当だよー
なつは夏生まれだけど
あたし真冬生まれ(笑)」
8月の頭は中々の暑さだった
しばらく話していると
私が通う高校の校門が見えた。
おはよーございます
おはよう
いろんな朝の挨拶が飛び交う。
「 あっ!こうくんだ 」
「 えっ どこどこ 」
「 あそこだよ(笑) 」
「 こーくーん! 」
私がこうくんを見つけ
指をさすと奈雪は
その人の元に走った。
「 おっ なゆおはよう」
「 こうくん早いね! 」
「 うん (笑) 」
「 あれ… なつ! 」
少し離れて微笑ましく
見ていると奈雪に呼ばれた。
「 え、 ああ こうくん
おはよう 」
「 水橋おはよう」
この人は奈雪の彼氏の
航樹くん
いつの間にかこうくんと
二人で呼んでいた。
そして彼も私を
特別扱いしない。
こうくんの特別は
奈雪だから。
本当にこの二人といると
気持ちが落ち着く。
三人クラスが一緒だから
同じ下駄箱で
同じ階段を上がって
同じクラスに入った。
「 あ よーたもう来てる(笑) 」
「 こいつ泊まったんじゃね?(笑) 」
私はかばんを置いて黒板に近づくと
航樹と奈雪はよーたに近づいてちょっかいを出す
「 よーたー 」
「 ん… ん 」
私は黒板を綺麗にし
よーたに近づく
「 なつ なゆ こー
おはよう 」
「よーたおはよう(笑)」
私達は
クスクス笑いながら
よーたの挨拶に答えた。
よーたも航樹や奈雪と同じで
私を特別扱いしない
簡単に言えば
常に一緒にいるメンバー。