青春はこれからだ!!
「これはどういう事なの?」

険悪なムードの部屋のなか
母さんの質問に答えられない自分がいた。
今まで何もやましい事をしたつもりなんて全くなかった
母さんとは多少喧嘩もするが、
俺なりに物心ついたころから欲しいものを我慢して気づっかていた
こんな風に変な空気になるなんて思っても見なかった
なんにもない。そんな言葉小心者の俺には言えない

「……」

「あの……余計なお世話でしたか?」

「え?」

「汗かいてたんで、
佐野君の服を変えてあげようと思ったんですけど……
やっぱ俺
おっちょこちょいだから滑っちゃって…」

「あっあらそうなの
あー勘違いしてたみたいね
おばさん恥ずかしいわー」

母さんがちょっと驚いた様子で言った
小沢は余裕の表情で演技を続けていた
俺はそっとため息をついた
小沢でも役に立つことがあるのか…
話が終わると、
俺たちは何分かいつものような話をした
話は楽しいのだが、
小沢の顔を見るたびに
なんだか風邪がひどくなった気がした
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