小さな瞳
第1章 「新しい出会い」
「ごめん。俺新しく好きな人ができたから…。
今までありがと。」
 
そう言って彼は、店の扉を開け逃げるように去って行った…。

私は中2の結梨(ゆり)。背は低い方。チャームポイントは笑った時に出るえくぼ。
ふつーの中学生やってますっ!!

中1の時に知り合った一つ上の先輩に一目惚れし、1年間付き合っていたにも関わらず、
ある日呼ばれた店でこのようになってしまったのだ…。
「はぁ…。」
深いため息が出てしまう。
目に涙が浮かんでくるが絶対に流さないっ!と心に強く思っていた。
「もう先輩意味分かんなーい…」
大声で吐いてしまった…。

店中の人が私の方を見て呆然としている。
何やってんだろ。私…。



テンション低いが、家にまず帰ろう。
そう思った私は一人でとぼとぼと家に帰る。

「ただいまァー!」
なぁーんて言っても返事がないのは分かってる。
私の父、母はなかなか家に帰ってこれない。
2週間に1回の程度で帰ってくるだけ。
仕事で忙しいんだろう…。 でもちょっと寂しい…。

と、とりあえず明日は学校だしお風呂に入ろうっ!
髪の毛も洗わず、シャワーで流してすぐ上がった。

ご飯も食べずにベットにとびかかる。
「ふわぁぁぁ~」
知らぬ間に私はベッドの上で寝ていた。
「んん~…ぇ?!ぇええ?!
もうこんな時間ー?!」
時計を見ると、夜の8時を回っていた…。
ま、まぁいいや!お腹も空いてないし、このまま寝ようっと♪

先輩と過ごした日々がよみがえってくる…。
だんだんと目頭が熱くなってくる。
ダメ。泣いちゃダメ~~!!
そう言う前に涙がぼろぼろと枕の上に落ちて行く…。
泣き疲れた私は、布団の中にもぐり再び寝た…。

何でこんな事になったの?!
もうまじで意味分かんなーい…。

< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop