小さな瞳
ピピピピピピ...

「んぁー?ぇーもう朝ぁ?」
時計を見ると、朝の7時ぴったしだった。
学校は7時半に行かないといけない。
「やばい。急がなきゃ!」
顔を洗おうと洗面台の鏡を見ると私の目はもの凄く腫れていた…。
ヨーグルトとパンを適当にすませて身支度をして家の扉を開けて出発した。

「おぉ~いっ!結梨ぃ~!!」
急いで走っている私の背後から声がした。
「ぉおっ!! 楓っ!おはよう♪もしかして楓も寝坊?!」
「うん。目覚まし合わすの忘れてて…。」
「ぁはははははは!楓おもしろ~い」

その楓と名乗る人物は私の最大の親友。
桜田 楓(さくらだ かえで)。
私よりも勉強も出来て、運動神経も抜群でモテてるし、最高の女の子だ。
相談もできる本当に最高の親友。

「結梨も寝坊ー?!」
「んまぁね。」
「あれー?結梨、昨日泣いた?」
うゎ、やっぱり分かるよね…。こんなに目腫れてんだもん…。
「えー別に何もないよー。」
何で楓に嘘ついちゃうんだろう…。
本当は言いたいのに…。
でも、こんな事知られたら楓も巻き込んでしまいそうだし…。
「結梨…。嘘つかなくったっていいんだよ?
嘘つかれても分かるよ。昨日泣いたんでしょ?何があったか話してみて?」
その楓の優しい言葉に自然と目から涙が溢れ出てきた…。
「ぁ、あのね…。昨日…、先輩と別れたの…。」
「えっ!ぇ、それどういう事?!」
「昨日、久しぶりに二人会って、呼ばれた店で「新しく好きな人ができたから。」って
言って、出ていったの…。」
「ぇ…。結梨、何で追いかけなかったの?」
「も、もういいやって思って。最初はものすごく悲しかった…。
だけど、好きな人ができるのは自然な事だし、先輩と楽しい日々過ごせたし、
もういいかな?って思ってさ。」
「そ、それでいいの?」
「うんっ!切り替えるよ。まだ私、中2だしこれからたくさんの出会いがあると思うんだ~。新しい恋見つけるよ!」
「う、うん…。頑張ってっ!」
そうなんだ…。最初からそう思えば良かったんだ。
終わった事をぐちゃぐちゃ言うのはダメだよね…。
私もこれから楽しい学校生活過ごそう!
「楓~!!急がなきゃ!遅刻だよ!遅刻!」
「ぁあああ!本当だ!行こっ!」






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