Love Water―大人の味―
……なによ、気持ち悪い声出しちゃって。
ふて腐れて、運ばれてきたビールをちびちび飲む。
本当は一気に飲みたかったけどさすがに女の子だし、それはちょっと男性を前にしてやることじゃないかなって思った。
他の女子達はみんな梨華の友達らしく、張り切っているのがこっちにまで伝わってくる。
………参ったなあ。
こうも真ん中の席に座っては、退出するタイミングがなかなか掴めない。
梨華は恐らく、そういうことを見越してあたしを真ん中にしたのだろう。
抜け目のない親友だ。
仕方なく、適当に相槌を打ちながらひたすらビールと料理を食べる。
『紅葉』は何度か来たことがあるお店だったから、どのメニューが美味しいかは熟知している。
筑前煮を箸でつまんでみんなの会話にときどき耳を傾ける。