Hなカテキョ様ッ!!
「なぁ」

「え?」

「お前、俺の事何もおぼえてねぇの?」

「へ?」
愛花のきょとんとした目をみて不審人物は呆れたように言った。

「駄目だ、こいつぜんっぜん俺の事おぼえてねぇべ」

「なんの事ですか?」

不審人物はもう一度愛花の目を見て諦めたように言った。

「ま、いいや、今日から俺はお前の家庭教師になる物だ」


「ええっ!!」

愛花は驚いたように口をパクパクさせた。驚きのあまり、声が上手くでない。

彼はそれを見て、大丈夫?と言わんばかりに愛花の背中をポンと叩いた。

「ぷはっ!春樹君!?」

やっと声が出た。

「ああっ!うるせ、大声出すなよ。愛花っ」

愛花ははっとしたように口を両手で塞いだ。

これじゃあ何も喋れませんよ…春樹君。

「いや、大声出すなとは言ったけど、口を塞げとは言ってないからね?」

愛花はそうでしたねと口から両手を話した。
< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop