SWEET HOMES SWEET HEARTS
「お帰りハルカ」
「ただいま」
そう短く返し階段を上った。私の家は決して金持ちと言うわけではないが先祖代々と言うのだろうか?…ともかくそのような土地があり敷地だけは広かった。
『はるちゃんちってサザエさんちみたいだね!』
思い出の中の江崎ユウがフラッシュバックした。まだあどけない顔だちのユウ。恐らく小学三年生ぐらいの。彼はまだ身長が私と同じかそれより小さいかぐらいでとても懐かしかった。まだお父さんが家に居て。
「…」
朝とは違ってゆっくりと制服を脱ぎデニムのスカート、Tシャツに着替えた。階段を下り居間の母のところに戻り洗濯物をたたむのを手伝うことにした。テレビには無機質な声でニュースを読み上げるキャスターが居た。
「もう七回忌ね。」
そう零す母の顔には悲嘆ではなく、何だか昔を懐かしむような顔であった。
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