ヌードなアタシ

『2人とも、すごく良い感じだし
うまくいくよ!』


『なんか勇気出てきた。
学校祭の最終日の夜に言う!
絶対、言う!』


『…あっ』

奈緒の驚いた顔。



『何やってんの?
手を取り合って見つめ合って…
怖いんですけど…』


振り向くと、
卓己くんが笑いながら
こっちに近づいてきた。


『ほら、コレ…
昨日言ってたライブのCD

俺の宝なんだからな、間違っても
ケツにひいて割ったりすんなよ!』


相変わらず乱暴な口調で
CDを奈緒の頭の上にのせた。


『もーっ!そんな事しないもん。
大事に聴くよ、ありがと…』


卓己くんがアタシをチラッと見た。


『あ…桜木、
最近、おまえ部室に来てねーだろ…
先輩達が、寂しいってさ…

俺、連れて来くるように
頼まれちゃった…
ま、気ぃ向いたら来いよ!』


『うん、今日は練習出るよ。
着ぐるみ見てみたいし…』


『あ、卓己くんはクマね。
こまちちゃんがカエルで、私うさぎ。
2人で決めちゃった…いい?』


『なんでもいーし…じゃ、放課後な!』

卓己くんが教室を出て行く。


『ビックリしたぁ』
2人で同時に言って…笑った。
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