ヌードなアタシ

放課後、着ぐるみを引っ張り出し
着用してみたら…

手の部分がモコモコで
うまく楽器が弾けない事が発覚。

指が出るように
奈緒が器用に直した。


ついでに、クマにはネクタイ
うさぎとカエルにはリボンも付けようと
3人で手芸店にやってきた。



『ネクタイは黒…あっ!
この赤い布、リボンによくない?』


『うん、いいね。
作るの奈緒に、お願いしちゃうし…
任せるよ』


奈緒は張り切って生地を選んでる。

アタシと卓己くんは
ただ、後ろを付いて歩く。



『桜木は、学祭終わったら
もう、クラブに来ねーつもり?』


卓己くんは、居心地が悪そう
そわそわ周りを見ている。


『ん…楽器とかセンスないもん。
もともと、奈緒の付添だったしね』


『ふーん…
別に、自由に遊びに来ればいいんだし…
仮入部のまま3年いればんーんじゃね?』


もしかして…
アタシが辞めたら寂しいって
思ってくれてるのかな。

そうだとしたら…うれしいな。
卓己くんは、奈緒の次に仲良くなった友達。
ずっと仲良くしていきたい…


『オッケー!2人とも。買ったよー』


奈緒が紙袋を掲げてブンブンと振った。


『やった!んじゃ、マックな。
俺、腹へった〜』


手芸店から解放されるとわかって
卓己くんは露骨に喜んだ。
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