史上最強お姫様の後宮ライフ覚書
「はぁ、だからそんな大層なものじゃありません、といつも言ってますよね?」
それを不服そうに引いたセレーネは、トランプの数字を確認しつつ、ため息を吐く。
そして、揃ったカードを捨てながら遠くを見つめるようにディアナに言った。
「あれは単なる暗示に過ぎませんよ…効かない時だってありますから。」
だが、そんな彼女の切ない表情を見たディアナはケラケラと笑いながらセレーネの頭を撫でまわす。
そして、何やら宥めながらその頭をポンポンと叩いた。
「馬鹿だねぇ、セレーネちゃんは。それでも無いよりは良いと思うよ…こうして役に立ってんだしさ?」
「……。」