パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
龍太郎は顎でシンクを指し示すと付け加える。


「参考までに、フンッ。俺の湯呑みはその巨大な七宝焼き、加瀬博士のは趣味の悪いドクロのマグカップだ」


「趣味が悪いは余計ですよ。これ、ベルトを買った時に貰ったんです。高かったんですよ? このベルト」


純一郎がバックルを見せびらかすのを尻目に、流は封の開いていない、菓子パンやウィルスのキャラクターが描いてあるマグカップをしげしげと眺めている。


「もしかしてこれ、僕用ですか?」


「良く解ったな。子供はみんなそれを欲しがるよな、フンッ丸い物が好きなんだ」


「博士ぇえ、僕もう二十二ですよぉ」


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