パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
『僕だってビビってるよ』


彗の友人である蓮が軍国主義に走っていたとは露ほども知らなかった流は、その剰りの変貌振りに驚いていた。


「え? 何か言った?」


サングラスの奥に有る冷たい瞳が流を射抜く。


「な、なんでも有りませんよ。では良い報告を待っていて下さい」


蓮は流と、サイクロトロンの操作盤の周りで忙しく立ち回っている龍太郎達に代わるがわる敬礼すると、自衛官達を乗せたバスに飛び乗った。


「楽しみにしてるわね、オホホホホ」


甲高い捨て台詞と、ディーゼルエンジンの噎せ返るような排気ガスを残して、彼女は疾風のように去って行った。


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