パラワー『天才・原口龍太郎博士のエトセトラ』
「加瀬えっ! ナニやってる! フンッ、潜って取ってこい!」


窓から顔を出して作業を見守っていた龍太郎も思わず叫んだ。


「無理です。俺、余り泳ぎが得意じゃないんで。流くぅぅん……」


純一郎は頭を掻きながら流に縋る。


「僕も右に同じです。博士は?」


「フンッ、私はカナヅチだ」


学者に運動能力を求めるのも酷という物だ。仕方なしに彼らは、壊れたままで航行を開始するしか無かった。


「このままA.W.T.が水没したら、俺達は元の世界に戻れなくなりますね」


「フンッ、そういうことになるな。残念だが」


「でもでも博士。ここの博士に助けを求めれば?」


「流。異世界間では通信出来ないだろっ……て、そうか!」


純一郎は携帯を取り出してメモリーダイヤルを押した。


「かかったぞ!」


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