屍の孤島
歌詞の意味を訊こうと、小野寺が口を開きかけた時。

「!」

連絡船が小さな港に入港、ゆっくりと接岸した。

その接岸時の振動で、熟睡していた奏も目を覚ます。

「到着しました。揺れる船で申し訳なかったですのぅ」

客席の方に向き、にこやかに言う老人。

彼は操縦席を立ち、港にタラップを下ろして上陸の準備をする。

やれやれ…。

小野寺は軽く溜息をついて立ち上がった。

船内で揉め事が起きた時はどうなる事かと思ったが、まぁこれもいい思い出となるだろう。

どうせ島に僅かばかりの滞在だ。

この時は、彼も軽い気持ちでそう考えていた…。

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