屍の孤島
梨紅は港で、仲間達と協力して脱出への道を探索する事を拒んだ。

あれも半分は嘘だ。

人間不信の梨紅が、彼らを信用できないというのは事実。

あの場で初対面の彼らを信じるほど、梨紅は素直な性格ではなくなっていた。

しかし彼らに見せたあの態度は、半分は演技だった。

この島の異常事態の原因は、島の出身者である梨紅自身で食い止めたかったから。

(別にあいつらを危険に晒したくないなんてのじゃないわよっ…)

心の中で梨紅は呟く。

そう。

赤の他人のあいつらがどうなろうが、別に構いやしない。

ただ…どんな状況になろうと、この島は梨紅の愛する故郷だ。

自分の故郷くらい、他所者ではなく自分の手で何とか守りたい。

捻くれ者の梨紅にもまだ、そんな一面が残っていた。

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