屍の孤島
夕映が思わず目を丸くする。

フェリーターミナルで散り散りになって以降、消息も安否も不明だった仲間達。

その仲間の一人が、こうして無事に合流して来てくれたのだ。

普段冷静で感情をあまり表に出さない夕映でさえ、目頭が熱くなる。

「ほらほら、感涙はあとあと!先に逃げなきゃ!」

初対面の時よりも、どこか頼もしくなっている奏が夕映を急かす。

確かにこの場には、百近いゾンビ達が集結しつつあった。

早く逃げないと車ですら立ち往生してしまう。

というのに。

「ちょっと!何やってんの?」

奏が目を疑う。

何と夕映は徐(おもむろ)に携帯を取り出し、動画でゾンビ達の歩く姿を撮影し始めたのだ。

< 169 / 199 >

この作品をシェア

pagetop