屍の孤島
元々無口で何を考えているのかわからない夕映であったが、ここまで意味不明な行動をとられると、奏には完全に理解できない。

この窮地に、何故ゾンビの姿を撮影するのか。

今は一分一秒でも早くこの場から逃げたいというのに!

夕映は動画どころか写メまで撮った上で。

「…お待たせしました」

ようやく奏の運転する車の助手席に乗り込んだ。

「急がないと!飛ばすよ!」

バックギアに入れ、急発進する奏。

その拍子にまた何体かのゾンビが犠牲になったが、気にしてなどいられない。

方向転換した後、猛スピードで狭い路地を走行する奏運転の軽自動車。

「あの…」

彼女が運転する横で、夕映が小さく言った。

「できれば…どこかパソコンのある場所に立ち寄ってください…」

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