屍の孤島
少しでも早く危険な島から遠ざかろうと速度を上げるヘリ。

そのせいで、縄梯子は大きく揺れる。

「くぅっ…!」

奏が必死に縄梯子にしがみつく。

振り落とされでもしたら、この高さだ。

命はない。

万が一命を取り留めたとしても、下はゾンビ達が大群となって待ち構えている。

また地獄に逆戻り。

それだけは絶対に避けなければならなかった。

しかし。

「っっっっ…!」

秀一の下、夕映は必死に歯を食いしばっていた。

彼女もまた、島での逃避行に相当な体力を使っていた。

身も心も消耗しきっている。

それなのに最後にこんな腕力を要する脱出。

彼女はもう疲れ切っていた。

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