屍の孤島
やがて、その足が遂に止まる。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…はぁっ…」

立ち止まったまま、呼吸を荒くする。

もう走れない。

すぐそばにまでゾンビが迫っているのはわかっている。

だけど、もう動けない…!

いよいよ追い詰められた事に、奏は覚悟を決める。

(私…たった25歳で死んじゃうのね…)

そんな悟りきったような思いが胸に去来した時だった。

「…!」

絶望しかけた奏の瞳に、あるものが飛び込んできた。

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